御嶽山
Ontakesan

【概要】
 御嶽神社が近い当駅は、雪が谷延長時に開業した駅です。上り線側に駅本屋があり、下り線にも独立した改札があります。
 昔は構内踏切があったようでしたが、閉鎖してだいぶ経つようです。階段を数段上ればホーム、という池上線らしい作りの駅です。

 蒲田寄りは新幹線、品鶴線の切り通しをホームがまたいでいて、上りホームからは疾走するのぞみ号や在来線の多様な列車を見下ろすことが出来ます。
 池上線開業当時はまだ品鶴線の欠片もなく、橋もなかったただの地平でした。その後1929年(昭和4年)に品鶴貨物線が開業、品川から丸子橋までまっすぐに伸びるコースは、アップダウン激しい久が原台地を高架や切通で抜け、そして池上線の下をくぐることになりました。
 そしてさらに新幹線の工事がはじまり、さらに切り通しの幅を広げる工事をして……、という手順で現在の形になりました。
 貨物線開業当初は、当時の写真などを見るといきなりコンクリの擁壁ではなくて、土手だったようです。

 駅前には大型スーパーの『ジャスコ』が、新幹線沿いに品川方面へ1キロほど歩くとD51もある交通公園の『東調布公園』が、新横浜方向へ歩くと1直線距離で1キロくらいで多摩川線の沼辺駅があります。


【撮影ポイント】
●駅撮り
 
 下り列車を上りホーム改札脇から撮影した物です。直線にある駅なので、特に特徴的なポイントはありません。ホーム壁が高いため新幹線のと絡めるビューポイントはなく、平凡な写真となってしまいがちです。

●駅周辺
 線路際に併走する道路があるので、架線柱の処理が難しいものの、いくつか撮れるポイントがあります。すべて望遠系でしょうか。雪が谷第3踏切から下り列車を狙うのもよいでしょう。


【コラム:歴史ある御嶽神社】
 駅からほど近い御嶽神社(おんたけじんじゃ)の歴史は古く、1535年(天文4年)に創祀されたと伝えられているそうです。それを裏付けるかのように、境内には樹齢400年にもなるという黒松(都の保存樹)もあり、これは子宝や縁結びに御利益があるとか。
 細やかな彫刻が施されている社殿も、1831年(天保2年)建立ということですから、震災、戦災をかいくぐってきたことを思うとおどろきです。規模は「とても大きい」とは言えないのでしょうけれど、これだけのものを作ったのですから、当時はそうとう人々の暮らしに影響力があったのでしょうね。
 境内には他に桜なども植えられており、昼間でも薄暗い、厳かな雰囲気に包まれているところです。
 それにしても、隣りには「みたけ幼稚園」があるのですが、神社の読みは「おんたけ」なんです。全国に数ある大小の『御嶽講』施設も、呼び名がそれぞれですよね。

 『講』とは、近隣で集まった信仰者組織だそうです。その集まり次第とお金の集まり次第で、各地の『御嶽神社』は、ほこら程度からそれは大規模な武蔵御獄神社のような大変立派なものまで様々。山岳信仰ということで、木曽の御嶽山に白装束で登拝〜苦行・修行を通して霊威にあずかろうとしたものでした。でも、普通の村民には旅をする暇や財力などあるはずもなく、『講』で積み立てをして、代表者を立てて代表でお参りする、といったことをしていたそうです。